硬筆ペン習字の教室を開くために必要な 7つのこと



長年字を学び、書くことが好きで、書くことが得意分野の人は「いつか先生に」「自分で教室を」そんな夢を描くのではないでしょうか?そこで教室を開いて12年目(2018年現在)の私が思う、硬筆ペン習字の教室を開くために必要なことを書いておきたいと思います。


①良いお手本がかける
お手本は習う人にとってとても重要なものです。お手本の良し悪しで習う側の書き方も大きく変わります。初心者の人にとって良いお手本が書けていますか?そして、小学生、中学生、初心者の方、中級の方、上級の方と段階にあったお手本が書けていますか?お手本を書くには高い基礎力と、応用力が必要です。その年齢と状況にあったお手本を用意できるようお手本を書く技術を磨いていきましょう。


習う側からすれば、お手本を見ながら書くということがほとんどですが、先生になるためには「お手本があれば書ける」だけでは足りません。「お手本がなくても書ける」になっておく必要があります。何も見ずに良いお手本が書けるようにしていきましょう。まずは、ひらがな、カタカナ、楷書、楷書に近い行書は、それぞれ何も見ずに完璧なお手本が書けるよう練習を重ねることをおすすめします。


教える側になると、お名前のお手本を書くことも増えますし、場面によって大きさもまちまちですので、漢字、ひらがな、ともに様々なサイズでお名前のお手本を書く練習をしておいたほうが良いと思います。


誰しも自分のクセというものがあります。そのクセを把握し、悪いクセはとっていきましょう。自分のクセは、そのまま生徒さんに伝わってしまいますので。




②書き順などの知識
漢字には間違えやすい書き順がたくさんあります。小学生を教える場合も大人を教える場合も書き順は一通り把握しておく必要があります。字は古くからあるものなので書き方や書き順も本当は色々とあります。ただ小学生のうちは混乱させないために学校で習う書き順で教えていくべきだと思います。高学年や中学生になったら、書き方も書き順も色々とあって、こんな風に書く場合もあると伝えていくと良いと思います。
書き順は意外と間違えて覚えていることもありますので、自信のない書き順はすぐに辞書で調べる習慣をつけていきましょう。それを繰り返すことで、しっかりと把握していくことができます。硬筆検定の本には間違えやすい書き順が載っていますので、そこもしっかり把握しておくことをおすすめします。下記の書き順、全て自信を持って答えられますか?ぜひ一度調べてみてくださいね!
や、な、も、ら、ヲ、上、女、収、何、官、世、進、方、式、快、長、臣、武、冊、兆、丸、犯、骨、再、馬、版、座、必、匹、恵、専、発、阪、茂、成、田、雄、浦、通、無、飛、齋、興、




③開業に必要なスキル
どこでどのように開業するか考えていますか?書道教室は昔からありますので、家で教室を開いているところも多いと思います。ほかには、文化施設のセミナールームを借りておこなったり、カルチャーの講師としておこなうことも出来ます。開き方は色々とありますが、そのほとんどが個人事業主だと思います。個人事業主は、告知、経理、運営などあらゆることを自分でおこなうようになりますので、そういったことも頭におき個人事業主として開業するうえで必要なスキル、知識を身につけていくことも大切だと思います。今は何でもネットで情報が得られる時代。自分から知識をつけようとすれば多くのことが調べられますし、ある程度必要な知識はつけていけるはずです。経費について、勘定科目について、そのほか一般的な会社とは少し形状が違う教室の場合はどうすればいいのか…など疑問に思うことは多々あると思います。分からないままにせず、疑問に思ったら、すぐに調べるクセをつけていきましょう。


チラシやホームページは業者さんや専門家に頼む方法もあると思いますが、最初のうちは自分でおこなう方がほとんどだと思います。チラシもすべて手書きで、コンビニでコピー!という方もおられると思いますし、それもOKだと思いますが、効率面を考えるとパソコンとプリンターとネット環境は、ないよりあったほうが良いと思いますし、必要最低限のパソコンのスキルも必要だと思います。わたしは若いころにIllustrator8.0や9.0の使い方を覚えておいたこととや、事務のお仕事を2年間していましたので、そこでExcelやWordを使えるようになっていたことがとても役立ちました。PowerPointは独学です。そのほかにメールの仕方や敬語の使い方や言葉遣いなども気をつけていくと良いと思いますし、気になることはその都度何でも調べるようにしていくと良いと思います。


このようにお手本を書くことや、教えることのほかに、用意すること、準備すること、管理すること、など裏方の作業は意外とたくさんありますので、開業に必要なスキル、社会人として必要なビジネスマナーなども身につけておくと良いと思います。




④実力を伸ばせる教え方
お手本も書ける、告知も帳簿や管理もビジネスマナーも大丈夫!なら問題なく開業できます。が、しかし、開業は始まりです。継続的におこなうことはもちろんですが、何より通ってくれる方の基礎力をつけ、実力を伸ばせるかどうかが重要です。そのための教え方が出来ていますか?この内容で、こういうことを伝えていくと実力がついていく!と自信をもって提供できる指導法と内容を考えて用意しておく必要があります。課題を時間内におさまる分量にすることや、飽きない工夫をすることも必要です。実際におこなってみないと分からないこともありますので、内容をよく練って、改善を繰り返し、研究していくと良いと思います。




⑤受講者さんの道筋を意識する
受講者さんが実力をつけ、指導者を志したとき、どのような道筋をおすすめしますか?指導者になるために必要な知識、進路、道筋、いくつか提案できるように、自分自身が知っておくと良いと思います。指導者を目指すなら段級取得はしておいたほうが良いと思いますし、資格もないよりはあったほうがいいと思います。資格を取得をするためにどんな知識や勉強が必要かを伝えられるよう自分自身が知っておくと良いと思います。段級取得だけをしただけでは足りない部分があると思いますし、資格取得だけでも足りない部分があると思います。自分自身が学んだこと、経験したことは自信を持って教えられるはずです。そのためにも、一つ資格を取得して終わりではなく、いくつになっても自ら幅広く色々なことを学ぶ姿勢が大切だと思います。




⑥草書、古典、かな、旧字体の知識
字の知識を極めるには何十年もかかると思えるほど、学ぶこと、覚えることがたくさんあります。ひらがな、カタカナ、楷書の漢字、行書のお手本をしっかり書ければ、指導者として活動することは出来ると思いますが、実用的な楷書行書だけでなく、草書や古典、かなの知識まで把握することで、指導の仕方にも違いが出ますし、何より線質にも違いが出ます。自分で開業して活動していくのであれば、硬筆ペン習字の教室であっても、草書や「かな」の字もスムーズに書けるようにしておいたほうがいいと思います。ペンであっても古典の臨書をやっているかいないかは大きな差となります。形だけでなく、線で魅せる流動美と表現力をつけていきましょう。


また、変体仮名を覚えたり、ひらがなのもとになっている漢字も把握しておくと、なぜ、ひらがなはこの形なのかが分かり、指導するうえで伝えやすくなります。


そして、旧字体や書写体についても、受講者さんのお名前が旧字体の場合もありますので一通りは学んで知っておいたほうがいいと思います。そして、必要に応じて勉強しなおしたり、調べなおしたりすると良いと思います。




⑦情熱と愛情
最後に、指導者にとって一番大切なものは、熱意だと思います。情熱と愛情をもってこのお仕事に携われると思える人に先生になってもらいたいです。「やる気、意識、根気」この3つがあれば大抵のことは叶います。ぜひ諦めずに、開業を目指してみてください。




私が思う【硬筆ペン習字の教室をひらくために必要な7つのこと】は以上です。




私自身まだまだ勉強不足ですし、未熟ですが、こういったことを書くことで、これから先生を目指す人たちに少しでも何か伝えられたらいいと思い書いてみました。


何事もプロを目指すには、長年かけて学び、身につけていくものだと思います。


出来るか出来ないかより、
やるかやらないか


なりたいと思うか
目指したいと思うかどうかです。


なりたい!目指したい!
と思うなら、
やると決めて
実行する
それだけだと思います。


夢を本当に叶えられるかどうかに
フォーカスして躊躇するより
夢に向かって今何が出来るか
これからをどう生きるか
それを考えて行動することが大切だと思います。


出来ることから始めてみてください。
未来は自分次第で変わります。




先生になりたい方は、
こちらの記事もお読みください
https://kakumiru.amebaownd.com/posts/5536414


ペン字講師養成講座はこちら
https://penjikoushi.amebaownd.com/





山田ひろ子プロフィールはこちら▼
https://kakumiru.amebaownd.com/pages/1254681/gallery

山田硬筆教室

書く楽しみ、学ぶ楽しみ、暮らしの中に♪ あなたの前向きな一歩を応援します! 字がきれいになりたい方 硬筆検定を受けたい方 指導者を目指したい方 ぜひお越しください。

0コメント

  • 1000 / 1000